失敗しない飼い方・育て方
はじめに|
飼育のマナー|
ろ過について(トリプルろ過)|
生物ろ過の仕組み(消化作用)
どうやったら失敗しないのか?
はじめに
“アクアリスト”という言葉をご存知ですか?
よく音楽をする人を“ミュージシャン”と言いますが、簡単に言うと観賞魚を飼う人を“アクアリスト”と呼びます。「家で音楽を聴くのが好きだから」・「ギターが弾けるから」といってもその人をミュージシャンとは呼びませんよね。音楽の知識を持ち、音楽を愛する気持ちがあり、自分はもちろんのこと他人までも楽しませる事のできる人が本当の意味での“ミュージシャン”ではないでしょうか?“アクアリスト”とは「魚をただ飼っている人」ではなく、いろいろな知識を持ち、生き物を愛し、自分や他の人達までも楽しませる事のできる人だと思います。
アクアリストへの近道は知識の豊富な良いショップ選びが重要です。
1990年以降、観賞魚ブームのおかげで、鑑賞魚を飼育するための器具が普及し、以前に比べて観賞魚を購入しやすい価格になった為、室内で観賞魚を楽しむ人が急速に増えました。その反面、プロが見て、この様な設備では明らかに飼えないと思われるセットが流通した為、初心者の方がこれらを購入しても上手く飼えずに辞めてしまったり、大量輸入のための質(魚の状態)の低下が目立ち始めたりしました。
本来、魚達はストックされメンテナンスしてから適正価格で販売されますが、今では価格を下げるために、お金や時間のかかるトリートメントなどが省かれています。昔なら輸入状態が悪くても、売り手がメンテナンスを最後までしてそれを販売していましたが、今ではそれは買い手がしなくてはならなくなっている場合が結構あります。
メンテナンス済みの健康な魚を購入したければ、やはりショップ選びが重要でしょう。まずは状態の良い魚を販売しているショップを見つけましょう。そしてそのショップで水槽や飼育器具を選び、そのショップの飼育ノウハウごと購入できるように店員とコミュニケーションを取るのがアクアリストへの近道ではないでしょうか?
飼育のマナー
生き物を飼うと言うことは魅力とともに大きな責任が伴います。
水槽内にいる生体は水中で呼吸し、エサを食べ、そしてフンなどを排泄します。水槽内の“水”が汚れれば魚たちは病気になり、死んでしまいます。
飼い始めたら毎日の給餌、健康チェック、“水”の管理と、日頃の世話が重要になります。
水替えや世話無しで飼える魚はいません。本当に責任を持って飼えるかどうか考えましょう。
魚を飼うなら最後まで責任を持って飼いましょう。
大きくなる魚を小さな水槽で飼いきるのは無理です。
もう飼えないから川へ逃がすなんて無責任です。飼育ができなくなった魚を“不要魚”と言いますが、不要な魚など本来一匹もいないはずです。ですから大型水槽を設置できなければ、大型魚飼育はあきらめましょう。「肉食魚と小型魚」や「海水魚と淡水魚」の混泳も基本的には無理です。
どんな魚を飼いたいか事前にショップの人に聞いたり、本などで予備知識を付けたりすることをおすすめします。
ろ過について(トリプルろ過)
ろ過とは水中の有害物質を無害なものに変えることです。そしてろ過をする装置をフィルターと呼びます。現在、フィルターの種類は数えきれないほどあります。フィルター選びも重要ですが、ここではフィルターの中に入れるろ過材に付いて説明します。
どのようなフィルターでも、その装置を生かすか殺すかは“ろ過材”次第です。
ろ過には大きく分けて3つあります。この3つのろ過を同時に取り込むのがオススメです。
例えば、最近流行りの外掛け式(引っ掛け式)フィルターを見てみましょう。外掛け式フィルターにはよく活性炭が包まれたウールマットのカートリッジが入っていますが、このシステムには物理と化学ろ過の2つの方法しか取り込まれていません。マットにもバクテリアは繁殖しますが、マットの目詰まりや活性炭などの寿命の為に、月1〜2回交換の必要があり、それではバクテリアが繁殖できず生物ろ過として成り立ちません。フィルター内にスペースが許すのであればネットなどに生物ろ過材を入れてセットすると良いでしょう。そうする事によってトリプルろ過になります。しかし、外掛け式フィルターにはたくさんの生物ろ過材が入らないので小型水槽のみに適しているでしょう。
上部式フィルターや外部式フィルターはろ過材が自由に選べるワンランク上のフィルターと言えます。しかし、上部式フィルターに純正マットだけと言う人も少なくないと思います。これではせっかくのフィルターを生かしきれていません。自分のフィルターがどのようにセットされているか確認してみましょう。そしてトリプルろ過にしましょう。
【ちょっと一言】
一般的にオススメする生物ろ過材の量は、60cm水槽(水量50L)に対して1Lの生物ろ過材です。例えば、90cm水槽には水が160L入りますので、最低3Lの生物ろ過材をオススメします。
生物ろ過の仕組み(消化作用)
物理ろ過とは簡単に言うとゴミ取りです。
水に浮遊する大きなゴミは取れますが、物理ろ過では除去できない細かい汚れもあります。それを生物ろ過と化学ろ過によって処理します。
飼育水に溶け込んだ残餌や排泄物などの有機物は、まずアンモニアという有毒な無機物になります。次にアンモニアは、ニトロソモナスなどと呼ばれる酸素の好きな好気性バクテリアによって、亜硝酸という、アンモニアほどではありませんが、魚にとっては有毒な物に変化します。そして亜硝酸は、ニトロバクターなどの好気性バクテリアによって、比較的無毒な硝酸塩になります。生物ろ過とは、このようなバクテリアによってアンモニアや亜硝酸を硝酸塩に分解することを言います。
硝酸塩は普通の水槽内環境ではこれ以上に分解されない為、硝酸塩は貯まる一方なので水換えが必要になります。
硝酸塩は全般的なコケの栄養素であり、たくさん貯まると魚などにストレスを与え、病気の発生につながります。硝酸塩はデリケートなエビ類や海水のサンゴ(特にハードコーラル)には有毒なので、通常よりも水換えの回数や量を多めにしましょう。ウォーターエンジニアリング社のリバース・シリーズは化学的に硝酸塩やリン酸の吸着と生物ろ過材の2つの働きを持ち、当店のろ過材の中では人気ナンバーワン商品です。水換えの回数や量を軽減させたい方におすすめです。
現在では各メーカーからバクテリア系商品がたくさん売られていますが、ニトロソモナスやニトロバクターなどと言った消化菌入りの商品がおすすめで、必ず淡水用と海水用に分けている物を選びましょう。
当店では潟oイコムの製品や当店オリジナルのPROバクテリアがおすすめです。
また生物ろ過材にもいろいろな種類があり、より多くのバクテリアが住めるように研究して作られた商品としては潟Nリオンのパワーハウス、リバース・シリーズや当店オリジナルのろ過材がおすすめです。
一般的な飼育状態での化学ろ過材は高性能な活性炭だけでも良いのですが、コケの発生防止や長期間水質を安定させたい時におすすめの商品はリバース・シリーズやシーケム社のシージェルです。
これら商品はPH安定・コケ防止・水換え回数の減少などに効果があり、海水魚や飼育困難な魚にとても有効的です。
【ちょっと一言】
一般的に市販されている活性炭に「アンモニアを吸着します」とよく書かれていますが、実際にはアンモニアを直接吸着せずにその手前の細かい有機物を吸着している商品がほとんどです。アンモニアの発生量は抑えられますが、直接は除去できず、さらに時間が経つと吸着した物をまた放してしまう商品もあるので注意しましょう。
どうやったら失敗しないのか?
はじめての飼育では、上記に説明した「ろ過について(トリプルろ過)」や「生物ろ過の仕組み」などを完全に理解する必要はありません。ただ、フィルター選びの大切さやバクテリアの重要性は理解していただけたと思います。
1)飼いたい魚に合ったセットを選び、正しくセッティングしましょう。
先ずはお客様が何と何を何匹飼いたいとか、水槽の大きさやデザインなどを店員に相談しましょう。この魚は大きくなるのでお気に入りの水槽サイズでは半年も飼えないかもしれませんし、飼いたい魚同士の愛称が良くなくどちらかを諦めなければならない事もよくあります。知識があり信頼できるお店の店員に「ただ安いだけのセットや商品」では無く、お客様の飼いたい魚に合った、より良いフィルター入りのセットや調整剤などを選んでもらいましょう。何かセッティングや「水つくり」で分からない事があれば、その店員なら喜んで相談を聞いてくれるでしょう。
2)水槽のセッティングが終わったら、水をつくりましょう。
簡単に言うと水道水にカルキ抜き(バクテリア活性剤入りがおすすめ)とろ過バクテリアを水槽に入れて、フィルターを回すだけです。バクテリアも生き物なので必ずカルキを抜いてから水槽に入れてください。入れたバクテリアはフィルターのろ過材に徐々に住み着きますが、魚などの生物が居ないとバクテリアはなかなか増殖できませんので、3日以内に丈夫な魚を少なめに入れると良いでしょう。海水魚の場合は魚の変わりにライブロックを始めに入れると良いでしょう。淡水では1〜2週間あれば水はつくれます。海水では最低1ヶ月以上かかり、ろ過能力不足だと水がつくれませんので必ず亜硝酸をチェックしてフィルターを見直してください。
3)セット初期に合ったお魚を購入して、水槽に正しく放してあげましょう。
セットしたばかりの水槽には、バクテリアを入れても最終的に飼える限度数の1/5から飼育を始めてください。飼いたい魚が何種類か決まっている場合は、その中から一番丈夫と思われる魚から飼育してあげると良いでしょう。何から飼ってあげたら良いか悩んだら、店員に相談しましょう。購入して帰ったら先ず、「温度あわせ」と「水あわせ」をしましょう。(Q&Aを参考)お客様水槽の水質が良くても魚にとっては全く新しい環境ですので、慌てていきなり水槽に放さないでください。当日はエサを与えないで下さい。
4)エサの与え過ぎに注意しましょう。
エサは一日1〜2回、1〜2分で食べきれる量が最適です。ほとんどの場合、エサの与え過ぎによる、不要な栄養分でコケが出たり、水質が悪化して魚が病気になったりします。毎日観察していればエサが足りない場合、魚が痩せてくるのがわかるはずです。そしたら少しずつエサの量を増やせば良いのです。魚はエサが少なくてもコケや水草などを食べ、まず餓死することは無いでしょう。当店ではすべての魚のエサとして、フレーク状ではなく、お魚のサイズに合った顆粒のものをおすすめしています。
5)その他の悩みや相談は店員に何でも聞きましょう。
飼育を始めると、魚が病気になったり、コケが大量発生したりする事があります。セットを購入したお店の店員はお客様の飼育コンサルタントになり、お客様をサポートしてくれます。「水換えは月に何回、どの位したら良いのでしょう?」と良く聞かれますが、水槽の大きさやフィルターの能力、さらには魚の匹数やサイズなどによって異なりますので、セットを購入した店員に聞くのがベストです。目安としては1ヶ月に2回、1/3程度の水換えが良いでしょう。
失敗しない為には、状態の良い魚を販売しているショップを見つけ、そしてそのショップで水槽や飼育器具を選んでもらい、そのショップの飼育ノウハウごと購入できるように店員とコミュニケーションを取る事が大事だと思います。
当ホームページではよくある質問をQ&Aにまとめてあります。是非、お役立てください。
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